夏季イベントにおける~熱中症対策ガイドライン~

毎年夏になると各地で熱中症に対する注意喚起がなされます。

熱中症は正しい知識を身につけることで防ぐことができる病気ですが、平成30年は5月から9月までの間に9万5137人もの方が熱中症で救急搬送されました。

環境省の熱中症予防情報サイトによると、熱中症対策の基本は暑さを避けることであり、エアコンの活用等を呼びかけています。しかしイベント会場では「環境」「カラダ」「行動」の3つの視点から熱中症を引き起こす可能性が高いといえます。

人混みによる暑熱した環境、飲酒や長時間の待機による疲労、トイレを我慢する事で水分補給が足りない(トイレの行列を避けるため)など、イベント会場ならではの課題が見えてきます。

夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン】

環境省が発足しているイベント主催者・施設管理者のための【夏季イベントにおける熱中症対策ガイドライン2019】の概要を紹介していきます。

まずイベントでは会場に入るための待機や物品販売などの特定エリアに多くの人が集まり列を作る様子が見られます。そのためイベント会場の中や周辺では、熱中症が発生するリスクが高い状況が存在します。こちらのガイドラインでは、どのような状況で熱中症が発生しやすくなるか、実際に屋内外の複数施設で測定したデータに基づいて考察されておりそのデータを閲覧することができます。

多くの人が集合する大規模なイベントでは、皮膚表面からの汗の蒸発、人混みによる風通しの悪化などで暑熱環境が悪化します。 またイベントの進行に応じて発生する”人混み”は、イベントの開場前(良い席を確保するための待機、イベント関連商品購入のための待機等)、競技やコンサートなどの開始直前の混雑、休憩時間、イベント終了後の退場時などが想定されます。

≪夏季イベントでの事例≫

・2011年8月に横浜で開催された音楽イベントにおいて、熱中症とみられる 症状で倒れる人が相次ぎ、36人が救急搬送され、そのうち7人は入院が必要な中等症以上の熱中症でした(1,000人あたり12人)。主催者の想定した1,400人を大きく超える3,000人が集まり、ホールに入りきれなかった観客が日射にさらされたことによるものでした。

・東京都墨田区および台東区で開催される隅田川花火大会では、救護者数(1万人あたり0.18~0.35人)と救急搬送人員数(1万人あたり0.03~0.05人)が報告されています。日中の暑さ指数(WBGT)が高いと救護者が多くなる傾向があります。

また隅田川花火大会では、会場周辺にトイレが少なく、一方通行が多いので、水を飲まない人、トイレを我慢する人などが多く、熱中症防止にはトイレを整備して使いやすくし、水を飲んでもらうことが重要だとの意見がありました。

暑さ指数(WBGT)とは?環境省熱中症予防情報サイト http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2019[2章イベント実地時の熱中症患者の発生リスクについて]より引用。

≪熱中症の応急処置の流れ≫

①涼しい環境へ移動 できればクーラーの効いた部屋が最適です。

②脱衣と冷却 脱衣の際は患者のプライバシー保護の配慮が必要となります。

③水分・塩分の補給 冷たい水を持たせ、自分で飲んでもらいます。応答がない、意識が明瞭でない場合は禁物です。

④医療機関へ運ぶ 自分で水分の摂取が出来ない場合は緊急搬送が最適です。

 

救護所の設置

大規模なイベントでは会場に医療救護所を配置していますが、可能な限り現場で初期治療と医療機関での治療が必要かどうかの判断を行い、本当に必要な患者だけを搬送する体制をとる事が望ましいです。

例えば「東京都が主催する大規模イベントにおける医療・救護計画 ガイドライン」では、医療救護本部を設置するとともに、観客席1万席(人)につき1ヶ所を目安に、医師1名、看護師等2名からなる医療救護所を設置する方針を示しています。

イベントの規模が小さく救護所の設置が困難な場合であっても、熱中症に対する知識を持った医療従事者等から緊急時の対応を学んだりして、スタッフ全員が熱中症に対する知識を身につ けておくことが重要です。

参考URL↓↓↓

環境省熱中症予防情報サイト 夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン 2019 http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_gline.php

東京都福祉保険局 東京都が主催する大規模イベントにおける医療・救護計画ガイドライン http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kyuukyuu/saigaiiryou.html

 

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