誰もが熱狂する、オリンピックやワールドカップ、音楽ライブなどの大型イベント。
そういったイベントにおいて、セキュリティのためにどれくらいのコストがかけられているのかすぐに答えられる方はどれくらいいるだろうか?
ここでは、大型イベントのセキュリティ対策のためのコストの内訳と、その具体的な金額を見ていこう。
大型イベントにおける「セキュリティ対策費用」の内訳
大型イベントでは、さまざまな施策が「セキュリティ対策」として行われている。
当然ながら、会場には警備員を配置する必要があるし、凶器や危険物などを持ちこまれないよう、金属探知機が導入されるケースも増えている。
また、チケットの転売などを防ぐため、本人確認が厳しくなっていることをご存知の方も多いだろう。
そうした項目の中から、「警備員」「チケットの本人確認」「情報漏えい防止」にスポットを当て、それらにかかっているコストを具体的に学んでいこう。
セキュリティ対策のコストを読み解く
~配置されている警備員編~
誰もが待ち焦がれる、2020年開催予定の東京オリンピック。
招致委員会はIOC関係者に向けて発表した計画書の中で、五輪期間中のセキュリティ要員の数を約5万人に設定することを発表した。
うち、2万1000人は警察官で、民間警備員が1万4000人、さらに9000人の警備ボランティアも会場周辺に配置される計画となっている。
このうち、民間警備員に対して支払われるコストの総額は、はたしてどれくらいになるのだろうか。
東京都内では、警備員のアルバイトスタッフは日給1万円程度で雇われていることが多い。
これを元に計算すると、
1万4000人 × 1万円/1日 = 1億4000万円/1日
つまり、東京オリンピックでは1日あたり約1億4000万円もの予算が(あるいはそれ以上が)、民間警備員を配置するために支払われることがわかる。
セキュリティ対策のコストを読み解く
~チケットの本人確認編~
今や、アーティストのライブなどで当たり前のように実施されるようになった本人確認。
運転免許証や保険証、パスポートなどのいわゆる“身分証明書”を目視することにより、そのチェックが行われている。
多くの場合、その作業は会場でチケットもぎりを行っているアルバイトスタッフの手によって実施される。
仮に、有名アーティストがドームでライブを実施する場合、チケットもぎりを行うスタッフの人数は20~30人程度のことが多く、また、そのスタッフは日給1万円程度で雇われている。
これを元に計算すると、
20~30人 × 1万円 = 20~30万円
つまり、1回のライブイベントあたり、20~30万円程度がチケットの本人確認のために支払われていることがわかる。
また、最近では本人確認用のシステムなどが導入されているイベントも多く、そういった機器を使用する場合には、当然そのレンタル料もかかることになる。
セキュリティ対策のコストを読み解く
~情報漏えいの防止編~
インターネット、そしてSNSが普及することで近年問題になってきたのが、情報漏えいのリスク。
その代表的な例として挙げられるのが、いわゆる“ハッカー”と呼ばれる人たちによる、イベントの公式Webサイトへの攻撃だ。
この攻撃が成功してしまうと、イベントに関わる重要情報が流出してしまう。
こういった問題に対処するため、多くのイベント運営企業はセキュリティ診断を利用しています。
これは、運営しているWebサイトにセキュリティ上の問題がないか、専門家に診断をしてもらうサービスだ。
費用は業者によっても差があるが、数十万円程度が一般的な相場となっている。
おわりに
費用に関する具体的な数字を読み解くことで、セキュリティの潮流をすることができる。
大規模イベントにかかるコストを想像する癖をつけ、セキュリティについての意識を高めてゆきたい。